会長のつぶやき
第二十三回
2019-05-09
先日気になる調査結果が、新聞・テレビで報道されました。
一つは、内閣府が昨年12月に初めて調査を実施した、中高年(40~64歳)の引きこもり状態の人の数を公表した記事です。
半年以上家族以外と交流せず自宅にいる人が、全国に61万3千人(内男性76.6%)いるという推計値が示されました。その期間は7年以上が半数近く(30年以上は6.4%)を占め、長期化、高齢化が裏付けられました。ちなみに若年層(15~30歳)については、2015年の調査によると約54万人で、今回はこれを上回る数となりました。
3人に1人が、高齢の親(80~90歳代)に経済的に依存していることも判明。「8050問題」さらに「9060問題」が指摘され、支援対策が急務となっています。
専門家は、80代90代の親が亡くなった後、肉親も少ないうえに地域とのつながりも薄くなり、問題が深刻化しやすいという分析を行っています。
もう一つは、国立社会保障・人口問題研究所が、都道府県別の「日本の世帯数の将来推計」を公表したことです。
21年後の2040年には、世帯主が65歳以上の高齢者世帯のうち一人暮らしが占める割合が、全ての都道府県で30%を超える(福島県は36.7%)ということです。特に東京など15都道府県では、40%以上になるということが推計されました。
人口が多い団塊ジュニア世代が65歳以上になり、高齢者数が3,900万人超とピークに近づく一方で、少子化の影響により社会保障の支え手となる現役世代が激減します。このことは高齢化の進行に加えて、未婚の増加が背景にあると研究所は分析しています。
今後私たちの社会では、増え続ける一人暮らし高齢者の社会的孤立を防ぐとともに、どう支えていくかが大きな課題となってきます。
今社協が取り組んでいるボランティアの養成、地区社協の設立は、この課題に向き合っていくために、非常に重要な意味を持つ事業となります。行政、地域住民と社協が一体となって取り組んでいくためには、どうしても地域の方々の理解と協力がなくてはなりません。
皆様のご理解をお願いするとともに、社協としてもさらに力を尽くしていかなければならないと考えております。