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会長のつぶやき

第四十九回

2022-06-28
 私の机の上に電気スタンドが置いてあります。しかし光は放(はな)っていません。スイッチが入っていないからです。光を放つ仕組みに問題はなくとも、スイッチを入れなければ光は放ちません。
 人間もこれと同じようなもので、何一つ欠陥(けっかん)のない体に生まれついているのに(敢(あ)えてこのような表現にさせていただきます)、少しも光を放たない人間があるものです。どうも、スイッチの問題ではないかと思います。

 ある先生の言葉を引用させていただきます。
  誰だい?
  ぼくは頭は悪いし、
  ダメな人間かもしれないなんて心配しているのは?
  ダメな人間なんてあるものか。
  人間はみんなすばらしいんだ。
  何でも見えるすばらしい目を、君はもっているじゃないか。
  何でも聞けるふしぎな耳を、君はもっているじゃないか。
  覚えることだって考えることだってできる
  ふしぎなはたらきをやってのけることのできる頭が、君のためにちゃんとあるじゃないか。
   (中略)
  食べたものを血にし、肉にし、骨にし、
  はたらきのエネルギーにかえていく、
  魔法のようなはたらきをやってのける胃や腸が、
  今も君の腹の中ではたらいているんだよ。
   (中略)
  どこがダメだというんだ、どこがっまらないというのか。
  つまらないのは
  このすばらしい君のすばらしさに気付かず自分はっまらないなどと考えている、
  君のその心だとは思わないか。
  しくみのりっぱな電球でも、
  スイッチを入れなければ光は放たない。
  人間のすばらしい目も
  見ようという心のスイッチが入らないと見ていても見えない。
  聞こうという心のスイッチが入らないと耳も耳のはたらきをしてくれない。
  頭もそうだ。
  しくみのせいじゃないんだ、スイッチのせいなんだ。
  スイッチを入れて鍛(きた)えてさえいけば、
  どんなむずかしいことだって覚えられるようになるし、
  どんなむずかしいことだって、
  考えられるようにだってなるんだ。
  月の世界へ飛ぶ知恵だって、人間の頭が生み出したじゃないか。
  心のスイッチが、
  人間をダメにもし、すばらしくもしていくんだ。

 それでは、心のスイッチは、どうすれば入るのでしようか。
 脳の解剖学の権威(けんい)が「のら猫の脳と飼い猫の脳を解剖して比べてみると、のら猫の脳はよく発達しているが、それに比べて飼い猫は、発達が遅れている」とおっしやっています。
 このことから考えられることは、あまり恵まれ過ぎた条件の中では心のスイッチが入りにくいということのようです。
 今日の物質的豊かさがかえって人間の心の豊かさを損なっているようです。
 不遇(ふぐう)な状況に追い込まれた時、これこそ自分を鍛(きた)える機会だと、それを両手で受けて立つ心構えを持つ。恵まれた状況の中にいるときもいい気になってしまわずに、自分をさらに高次(こうじ)の自分に高めろために、自分をつくっていく努力を持てるような目覚めを促す出会い一指導者、教え、ことばなど一が大事なことだと思います。
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