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会長のつぶやき

第四十五回

2022-03-01
 今年も各地で成人式が行われました。
このコロナ禍の中で制約を受けての式典のようでしたが、それでも「新成人」と呼ばれ、晴れやかな笑顔で式に臨む姿は、初々しくまた頼もしくも感じられました。
 国では「おとな」になる年齢を18歳に引き下げるということで、さまざまな議論がなされているようです。社会生活の中で「おとな」として扱われるということは、実に多くの責任ある行動が求められます。18歳という年齢が、そのことに耐えうるものかどうかは意見の分かれるところでしょう。

 改めて「成人式」とはどういう行事なのか、考えてみたいと思います。
 「成人」とは、「人と成る」すなわち「人間完成」ということですが、現実には20歳で文字通りの「人間完成」とは言えないようです。
ではなぜ20歳を「成人式」として祝うのでしょうか。
 ある先生の言葉をお借りすると、"それまで親や先生や周りの大人たちによって成長させられてきた者が、「自分の意志で、人間として完成する方向に歩み始めるぞ」と決意をする行事"だということです。
 自分が人間として生まれたことの意味や価値に気づき、また周りの全ての事柄とのかかわりの中で生きていることを自覚して、「人間成就」に向かって歩みを始める決意をする。なりたい自分になるために、自己実現のためにと言ってもいい、その歩みの原動力として自分の意志・意欲を呼び覚ます。そういう一つの区切り目となる自覚のための行事だろうと思います。

 社会人(おとな)の基本は「返事、挨拶、後始末」であると聞いたことがあります。
 例えば掃除一つをとってみても、部屋がいかにきれいになったかということはもちろん大事ですが、それよりも意欲をもって掃除しようとする人、自主的に掃除する人、少しでもきれいになるように掃除しようとする人、汚さない人という「人」になることが求められているのでしよう。
 他人の目や評価や厳しい指導によってということから、自分で判断して自発的に掃除することを思いつく人に成ってほしいものです。
 「成人」ということは、年齢に関わりなくいくつになっても、自分の課題を意識して「人と成る人」として歩み続けることだろうと思います。
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